蝉時雨




「わざわざ有休まで取ったのか」



涼ちゃんの話に耳を傾けながら
じわじわと広がっていく
嫌な予感を飲み込むように、
グラスの中のカルピスを一気に流し込む。


でも甘ったるい桃の味は、
そんな私の嫌な予感を取り去ってはくれない。

心臓がばくばくと変に騒がしい。






「うん。そのことなんだけどさ」













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