蝉時雨




「せっかくのお洋服にも
飛んじゃったわね」




典子おばちゃんが私の背中を擦りながら、
濡れてしまったところにタオルをあてる。


吹き出したカルピスが甘い桃の香りと共に
ワンピースに大きなしみを広げている。







せっかくお洒落してきたのに
これじゃあ台無し。



でも今はそんなこと言ってる場合じゃない。








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