蝉時雨
「なんで菜々子まで荷物運びなの!?」
京介に愚痴をたれながら、
ボストンバックを投げやりに
トランクに放り込む。
「お前行動がガキすぎんの。
ただでさえ10歳年離れてんのに」
ため息まじりに言う京介は、また呆れ顔だ。
「それは‥っ
でも、別に菜々子が涼ちゃんに
着いて行ったってよかったじゃない」
「あのなあ。
兄貴に着いて行ってたらどうせお前‥‥」
そう言って京介がトランクを閉じた時に
涼ちゃん達が戻ってきた。