蝉時雨
「うーん‥‥。
菜々子、残念だけどしょうがないよ。
おばあちゃんとこ行ってこい」
「うぅ~~~」
「まったく!!
圭織さんもいらしてるのに
あんたがいたらお邪魔でしょ」
「そんなことないもん!!!」
「菜々ちゃん、夕飯は
明日食べにいらっしゃい」
「ごめんなさいね。
じゃあ典ちゃん、また。
ほら菜々子、行くわよ」
「またね、菜々子ちゃん」
笑顔で手を振る涼ちゃん達。
有無を言わさず引きずられる腕。
そんな私を見て、
「ばーか」と京介の口元が動く。
楽しみで仕方なかった
涼ちゃんと過ごす日々が
また今日も終わってく。
ああ、神様
こんなのってあんまりだわ。
-蝉時雨 2日目 END-