愛し方を知らない少女の歪んだ愛
この女の人、誰だろう。
彼女だったら、どうしよう。

わたしは恐怖に震えた。

お兄ちゃんに彼女がいるなんて、考えたくもない。
わたしのものになれないのなら、せめて誰のものにもなってほしくない。

わたしは自分の中の独占欲がひどく拡大していることに、体を震わせた。
自分が自分じゃないみたいだ。

そう。この頃わたしはおかしい。
自分のからだが、いうことをきかないのだ。
理性が、保てないのだ。

それが怖くて、ならない。
いつか自分じゃない者に自分を支配されてしまうのではないかと。

わたしは強く目を瞑った。そして願った。
こんな醜い感情、どこかへ行ってしまえ、と。
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