愛し方を知らない少女の歪んだ愛
やっとリビングの様子が窺える位置までたどり着いた。
わたしはリビングにいるお兄ちゃんとお兄ちゃんの彼女らしき人に気付かれぬように、そっとリビングの中を見た。
二つの影が見えた。
わたしはもっとよく見ようと目を凝らした。
二人でソファに腰掛けて、なにやら話している。
お兄ちゃんはまた難しい顔をしている。
さて、女の人は……。
わたしはお兄ちゃんから目線を外し、隣の人へと移した。
そして、その人の顔を見て、絶句した。
「なん、で……」
家の中は温かいというのに、わたしは寒気を覚えた。
まるで氷水に浸かっているような、ひどい寒気。
わたしは見間違いじゃないかと、目を幾度か擦った。
だけど見間違いなんかじゃない。
確かにその女の人は、わたしの知り合いだった。
それもいま一番親しい。
体の力が一気に抜けた。
そのため体のバランスが崩れ、膝が床に思い切り衝いた。
そのときの音が、二人の耳にも聞こえたみたいだ。
驚いた顔でこちらを見る。
「あ、美沙!」
聞きなじみのある声が、耳に届く。
いつもの声を聞くとなぜか元気が出てくるのに、いまはもっと気分を悲しくさせた。
わたしはリビングにいるお兄ちゃんとお兄ちゃんの彼女らしき人に気付かれぬように、そっとリビングの中を見た。
二つの影が見えた。
わたしはもっとよく見ようと目を凝らした。
二人でソファに腰掛けて、なにやら話している。
お兄ちゃんはまた難しい顔をしている。
さて、女の人は……。
わたしはお兄ちゃんから目線を外し、隣の人へと移した。
そして、その人の顔を見て、絶句した。
「なん、で……」
家の中は温かいというのに、わたしは寒気を覚えた。
まるで氷水に浸かっているような、ひどい寒気。
わたしは見間違いじゃないかと、目を幾度か擦った。
だけど見間違いなんかじゃない。
確かにその女の人は、わたしの知り合いだった。
それもいま一番親しい。
体の力が一気に抜けた。
そのため体のバランスが崩れ、膝が床に思い切り衝いた。
そのときの音が、二人の耳にも聞こえたみたいだ。
驚いた顔でこちらを見る。
「あ、美沙!」
聞きなじみのある声が、耳に届く。
いつもの声を聞くとなぜか元気が出てくるのに、いまはもっと気分を悲しくさせた。