愛し方を知らない少女の歪んだ愛
頭の中がぐちゃぐちゃ。
きっと顔も涙でぐちゃぐちゃ。

「……畜生」

お兄ちゃん。
有希。

どっちも好き。

だけどその二人が好きあっているなんて、ましてやもう付き合っているなんて。

「ばか!」

わたしはそう叫ぶと、そこらへんにあった人形を床に叩き付けた。
怒りを込めて。

「……なんで、よりによって有希なの……? ねえ、なんで」

そしてわたししかいない部屋に、嘆きかけた。
返事はもちろん返ってこない。

「ねえ、なんでなのよ!」

視界が歪む。
目の奥が熱い。

「答えて、応えてよぉ……」

苦しい。悔しい。
どろどろとした気持ち悪い感情がわたしを襲う。

そしてどっぷりと浸かっていく。
溺れていく。
どろどろとした気持ちの悪い感情の渦に、溺れていく。
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