愛し方を知らない少女の歪んだ愛
遂【終章】
それから一年とニヶ月が経った。
今日は六月十四日、お兄ちゃんと有希の結婚式だ。
六月と季節的には梅雨で、じめじめしていてわたしは嫌いだが、花嫁にとって憧れの季節だ。
「ジューンブライドだぁ……」
後ろで有希のうっとりとした溜め息が聞こえた。
有希はもうウェディングドレスに着替えており、それはもう美しいものであった。
「……きれい」
わたしはもう一度有希の姿を見てそう呟いた。
真っ白なウェディングドレスはわたしを魅了させた。
もちろん、有希も一年でとてもきれいになった。
元々可愛かった有希は、一年で「きれい」へと変化を遂げたのだ。
「有希」
そんなことを考えていると、低い声が聞こえた。
驚いて振り向いてみると、そこにはお兄ちゃんがいた。
お兄ちゃんは一年前と対して変わらない。
だけどスーツ姿のお兄ちゃんは、ぐっと格好良さが増していた。
「うわ、祐斗かっこいい!」
「お前もきれいだって」
お互い褒めあっているお兄ちゃんと有希を白々しい目で見ながら、わたしは溜め息をついた。
わたしにもいつか結婚できるのだろうかと、心配になってくる。
今日は六月十四日、お兄ちゃんと有希の結婚式だ。
六月と季節的には梅雨で、じめじめしていてわたしは嫌いだが、花嫁にとって憧れの季節だ。
「ジューンブライドだぁ……」
後ろで有希のうっとりとした溜め息が聞こえた。
有希はもうウェディングドレスに着替えており、それはもう美しいものであった。
「……きれい」
わたしはもう一度有希の姿を見てそう呟いた。
真っ白なウェディングドレスはわたしを魅了させた。
もちろん、有希も一年でとてもきれいになった。
元々可愛かった有希は、一年で「きれい」へと変化を遂げたのだ。
「有希」
そんなことを考えていると、低い声が聞こえた。
驚いて振り向いてみると、そこにはお兄ちゃんがいた。
お兄ちゃんは一年前と対して変わらない。
だけどスーツ姿のお兄ちゃんは、ぐっと格好良さが増していた。
「うわ、祐斗かっこいい!」
「お前もきれいだって」
お互い褒めあっているお兄ちゃんと有希を白々しい目で見ながら、わたしは溜め息をついた。
わたしにもいつか結婚できるのだろうかと、心配になってくる。