炭坑の子供たち(1)
こちらはもうヤケクソで
「ええい、もうへっちん火事や」
と、ブツブツ文句を言いながら
力まかせに、じいさんの背中をへちまでこすると
痛がるどころか、嬉しそうな顔をするので
こちらも何となく嬉しくなり
頭を洗ってやったり、肩を揉んでやったりする。
いくら、日頃、熱い、ぬるいといがみ合っていても
みんな心の隅では、老人を尊敬していた。
その証拠に、
混雑したバスや列車に、じいさんやばあさんが何人も乗ってくると
どんな不良のグループでも、サッと立ち上がって席を譲ったものだ。
「ええい、もうへっちん火事や」
と、ブツブツ文句を言いながら
力まかせに、じいさんの背中をへちまでこすると
痛がるどころか、嬉しそうな顔をするので
こちらも何となく嬉しくなり
頭を洗ってやったり、肩を揉んでやったりする。
いくら、日頃、熱い、ぬるいといがみ合っていても
みんな心の隅では、老人を尊敬していた。
その証拠に、
混雑したバスや列車に、じいさんやばあさんが何人も乗ってくると
どんな不良のグループでも、サッと立ち上がって席を譲ったものだ。