炭坑の子供たち(1)
あんちゃんも、人にさせるだけの事はあって
自らも、じいさんの背中をこすってやりながら
「今の日本があるのは、あんた達のお陰ですばい」
と、持ち上げておいてから
経験者にしか分からない質問をぶつける。
「人を刺した時の感触は、どんなもんですか?」
「サンパチ式歩兵銃の先に付いたゴボウ剣で、敵の胸を刺すと、肉がまとわり付いて、なかなか抜けんたい、ばってん、刺した時よりも、抜く時の方が力がいるたい」
と、生々しく語り、あんちゃんは
「ほう、そんなもんですか」
と、戦争で人を殺した事のある先輩を、憧れの眼差しで見ていた。
自らも、じいさんの背中をこすってやりながら
「今の日本があるのは、あんた達のお陰ですばい」
と、持ち上げておいてから
経験者にしか分からない質問をぶつける。
「人を刺した時の感触は、どんなもんですか?」
「サンパチ式歩兵銃の先に付いたゴボウ剣で、敵の胸を刺すと、肉がまとわり付いて、なかなか抜けんたい、ばってん、刺した時よりも、抜く時の方が力がいるたい」
と、生々しく語り、あんちゃんは
「ほう、そんなもんですか」
と、戦争で人を殺した事のある先輩を、憧れの眼差しで見ていた。