炭坑の子供たち(1)
 時たま、風呂が無料なので、町の方の人達が入りに来るが

炭住街に住んでないからと、誰も追っ払ったりなんかしない。

だから、若い警察官なんかもやって来るが

そこに、ヤクザのあんちゃんでも居ようものなら、面白がってからみだす。

「おい巡査屋さん、今日は非番か?」

「はあ」

「お前ら休みが多いのう、ちゃんと仕事はしよるとか?」

と、毎日遊んでいる自分をタナに上げて、からかう。

「今度出入りがあった時には、ピストルを貸しちゃんないよ」

風呂場の中は、大爆笑である。
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