炭坑の子供たち(1)
通りに来る人々
日曜日の昼過ぎになると
自転車で、紙芝居のおっさんがやって来る。
自転車の荷台に据えられた箱の上で、紙芝居を見せるのである。
内容は、がっせんデメちゃんや、コケカキーキーと言う猿面冠者の物語などで
主な目的は、お菓子を売ることであり、決して、慈善事業ではない。
売っているのは、ギリギリ飴に、ストロー飴やねぶり飴、酢昆布などである。
ギリギリ飴と言う水飴は、初めは透明であるが
2本の割り箸で、ギリギリとこねていると
やがて、白色に変わり、かと言って、おいしくなる訳でもないのに
みんな、そうして食べていた。
ストロー飴は、麦ワラの中に入った飴を、折らずに取り出して見せると
丸い飴玉を1個くれた。
ねぶり飴は、薄い四角い飴で、中にキャラクターの絵が書いてあり
ペロペロとなめて、その絵をこわさずに、きれいに抜くと
やっぱり、丸い飴玉を1個くれた。
我々は、たまに買う事はあったが、全く買わない貧乏な子もいて
そんな子程、紙芝居がよく見える、いい場所を取りたがった。
すると、おっさんが言った。
「何も買わん奴は、後ろに下がれ」。
自転車で、紙芝居のおっさんがやって来る。
自転車の荷台に据えられた箱の上で、紙芝居を見せるのである。
内容は、がっせんデメちゃんや、コケカキーキーと言う猿面冠者の物語などで
主な目的は、お菓子を売ることであり、決して、慈善事業ではない。
売っているのは、ギリギリ飴に、ストロー飴やねぶり飴、酢昆布などである。
ギリギリ飴と言う水飴は、初めは透明であるが
2本の割り箸で、ギリギリとこねていると
やがて、白色に変わり、かと言って、おいしくなる訳でもないのに
みんな、そうして食べていた。
ストロー飴は、麦ワラの中に入った飴を、折らずに取り出して見せると
丸い飴玉を1個くれた。
ねぶり飴は、薄い四角い飴で、中にキャラクターの絵が書いてあり
ペロペロとなめて、その絵をこわさずに、きれいに抜くと
やっぱり、丸い飴玉を1個くれた。
我々は、たまに買う事はあったが、全く買わない貧乏な子もいて
そんな子程、紙芝居がよく見える、いい場所を取りたがった。
すると、おっさんが言った。
「何も買わん奴は、後ろに下がれ」。