炭坑の子供たち(1)
話は、朝食からそれてしまったが

朝食で飲む味噌汁は、非常に体にいいそうで

「味噌汁と天気予報は当たったためしがない」

と、ばあさんがよく言っていた。

確かに、味噌汁を吸って、腹痛を起こしたなんて、聞いた事がない。

味噌汁のダシは、イリコで取るが

イリコはそのまま入っていて、貴重なカルシュウム源であった。

又、ダシを取った後のイリコを、醤油で甘辛くいためておかずにしたり

焼酎を飲むおやじの、つまみになったりした。

ダシは、削りブシで取る事もあり

透明の袋には、カツオの絵が書いてあったが、

どうやら、高価なカツオではなく、他の魚の様にあった。

そのカツオブシもどきを、ご飯の上に乗せ

醤油をかけるだけで、立派なおかずにもなった。

この削りブシの事を、小さな子供は、「けずりぼうし」と言っていた。

味噌汁代わりの吸い物と言えば、トロロ昆布汁があり

お椀に入れたトロロ昆布に、熱いお湯をそそぎ、醤油をかけるだけであるが、

簡単で、手っ取り早く、しかもおいしかった。

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