炭坑の子供たち(1)

炭住街の昼食

 小学生には給食、中学生には持参の弁当があったので

家で昼ご飯を食べるのは、半ドンの土曜日か、休みの日だけであった。

小学校の給食は、金属製の食器で食べるが、なるべくきれいなのを探すものの

どれもこれも、ボコボコにへこんでいた。

給食時間になると、黙って教室を出て行く生徒が、2,3人いて

給食費を払えない家の子達だったが

他の子達は、その子達を窓際に呼んで

こっそ給食を食べさせていたが、先生達も、見て見ぬ振りをして

時には、自分の分を、そっくり食べさせる事もあった。

それに引き換え、金持ちの家の子は

ちゃんと給食があるのに、わざわざ家から、弁当を持って来て

その中には、必ずブ厚い玉子焼きが入っていて

みんなは、うらやましそうに見ていたものだ。
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