炭坑の子供たち(1)
 学校が休みの日の昼飯めしは

今みたいに、炊飯ジャーなんてないので

いつも、おひつに入った冷やご飯である。

おぜんと呼ばれる、黒くて丸い台を引っ張り出し

一応、食事の前には、ちゃんと手を洗うが

ズボンでふいたり、カーテンでふいたりする。

子供達は、早く遊びに行きたいから

冷やめしにコンコン(たくあん)を乗せ、水をかけてお茶漬け風にする。

そして、誰も居なくても

食べさせてくれている親や、米を作ってくれたお百姓さんに対して

「いただきまーす」

と、手を合わせる

時には、親指と人差し指の間に、箸をはさんで

「いただきまーす」

と、やる場合もあった。




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