Reminiscence
「それでは、歌を歌うといい」
「ぅえ?歌?」
「歌語りだ。よく見かけるが、皆たいしたことはなかった。精霊の森やダフネンの伝承や伝説の歌語りをすれば、誰かが聞いてくれるのではないだろうか」
「吟遊詩人ってことね。でも私、楽器とか弾けない」
「魔製楽器というものを見た。弾くのが難しい代わりに、弾いただけで魔法を発動させることができるものや、楽器と相性が良ければどんな素人でも玄人のように楽器を扱えるものまであった」
「そんなものまであるのね。ちなみに、いくら?」
「安いもので5万シード」
「それじゃあ意味がない……」
フェンは肩透かしを食らったように肩を落とすとそのままベッドに倒れこんだ。
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