Reminiscence
「嬢ちゃんは体つきも戦い方のカンも暗器向きだ。俺も嬢ちゃんに技を教えるのが楽しいからな。今まで教えてきたものは基礎中の基礎だ。この試験に合格できたらロマバーク流の正統な後継者として弟子にしてやる」
「ロマバーク流?」
「ゼルシュのアサシンの流派の一つだ。こいつを継承した人間はみんなロマと名乗る。それが誇りだからな」
「いいんですか、私に教えちゃって」
「もちろん条件はある。さっきも言ったように、試験に合格すること、あとは弟子をとらないこと。もしセント・リーディアスにロマバーク流が広まったら、ゼルシュの門弟もろもろ皆殺しにされちまう。それは勘弁だかんな」
そういうと、ロマはようやく立ち止まり、振り返った。
口元は笑んでいるが、どこか異質な雰囲気をまとっている。
「さあ、ついた。ここは忘却の森だ」
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