Reminiscence
「忘却の森……」
フェンは愕然とした。
昔聞いたおとぎ話にそんな名前が出てきた。
土地のほとんどが砂漠というゼルシュにあるという魔法の森だ。
ということは、ここはゼルシュなのだろうか。
それに忘却の森は幻術の森とも呼ばれていて、幻術に惑わされて二度と帰ることができなくなるらしい。
ここに陽の光は届かず、闇に染まったマナが人を襲う、陰鬱な禁忌の森だ。
そんなところにのこのこと入ってしまうとは!
いくら旅人の友人と言っても、信用するべきではなかったのだ。
でも、なぜこんなことをする必要があったのだろう?
自らもここに来てまで。
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