Reminiscence
フェンは魔方陣を見つめた。
ごく普通の魔方陣だが、木々の間に隠れるようにして輝き続けている。
ふつうは魔法が発動したらさっさと消えてしまうものなのに。
マナのたまり場なのだろうか。
忘却の森。それは忘れてしまっていた記憶を呼び戻す場所。
もしかしたら、この先に、フェンが忘れていた大事な記憶もあるかもしれない。
来てしまったからには、本当に帰れないのだろう。
でも、先に行くことはできる。先に行き続ければ、どこかにたどり着くはずだ。
フェンは唾を呑むと魔方陣の中心に足を伸ばした。
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