Reminiscence
フェンは恐る恐るその刀を手に取った。
『ロマバーク、本当に行くのか?』
すると、ランジェが話しかけてきたときのように頭の中に直接声が響いた。
「行かねばならない。私には使命がある」
フェンの口が勝手に動き、言葉を発した。
フェンは驚いたが、既に、体は自由に動かせなくなっていた。
「陽のあたる時間は終わった。これからは闇の中、一人で生きていくことになるのだろうか。それでもいい。私は己が運命を生きる」
フェンはその言葉に魂を揺さぶられるような想いを感じた。
「また新たな夜明けを見ることは叶わないだろうが、私は夜明けを取り戻すために生き残らねばならぬ」
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