Reminiscence
『だが、お前の運命の延長線上にここがあるのやもしれぬ。お前のすべての力を解放してみろ。お前はただのマナなしではないだろう』
フェンはロマの言葉に戸惑った。
私の運命とはいったい何なのか、無性にそれが気になった。
ここで、ルーナフィアナの力を解放してもいいのだろうか。
彼は、ここで何年の時を待ち続けてきたのだろう。
力あるものがここに来ると信じて、退屈でつらい長い時間を、希望を持ち続けてきたのだろうか。
運命を生き抜くために。
フェンは胸が苦しくなった。
きっと彼の歩んだ道は赦されるようなものではない。
それでも彼は、きっと聖リーディアスができるよりも前から、長い時間贖罪し続けてきたんだ。
フェンは眼帯に手をかけるとそれを力いっぱいにむしり取った。
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