Reminiscence

ロマは3日前に既にどこかへ去っていった。
感謝の言葉と、もう二度と会わないだろうというさびしい言葉を残して。
村のだれかと親しくなったりはしなかったから、出発はさびしいものになった。
フェンはネニャフルでの生活を懐かしく感じていた。
身の危険は常にあったけれど、明るく楽しい街で、こんな殺伐とした雰囲気の場所とは大違いだったからだ。
旅というのは、楽しいことばかりではないと知り、時には陰鬱な気分になることも知って、フェンは小さく溜息をついた。
それでも、胸のあたりにある重みは取れてはくれなかった。