Reminiscence
「人間、むやみに殺気を放つな」
突然ランジェがそう言うと、旅人に向かって飛び顔面を蹴り飛ばした。
「フェンがおびえる。それと魔獣がよってくるぞ」
突然のことにフェンは唖然としたが、旅人もまた唖然としていた。
先ほどまでの緊張した空気はそこにはなく、旅人もいつも通りの様子に戻っていた。
否、いつも通りとは少し違っていたが。
「なんだ?おい、フェン、私はどうしたんだ?」
「え?」
「う……南に行ってからの記憶があやふやだ」
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