Reminiscence
フェンの考えを聞いたのか感じたのか知らないが、ランジェが棍から猫へと姿を変えた。
普段のようにマナを抑えてはおらず、白銀と黄金のマナがぐるぐるとランジェの体の周りを駆け抜け、輝いている。
「限定的にマナの浄化をしてやる。フェンの周囲半径2m、人間の周囲は3mが妥当だろう」
「すまない、頼む」
旅人の言葉に、ランジェはふんっと鼻を鳴らすとひらり、と身軽な仕草で飛び、駆け、マナを開放した。
フェンと旅人を囲むように二色のマナが薄い壁を作った。
たちまち、周囲のマナが浄化され、どこかで感じていた息苦しさがなくなっていった。
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