Reminiscence
「あぁ!?」
フェンは突然体の上に重圧感を感じてその場に這いつくばった。
半ば気力でヒスイを見上げる。
ヒスイは未だに微笑みを浮かべてフェンを見下ろしている。
なんということだ。
これは罠だったのだ。
私が警戒していたから、信用させて、一番隙の多い瞬間をこいつは作り出したのだ。
師匠の葬儀と銘打ってまで。
「クエロの弟子。正直言って魔法の才能はそこまでなさそうですねぇ。マナだけ妙に多いばかりで。あ、剣のほうかもしれません」
ヒスイはしゃがむとフェンの前髪をひっぱり、無理やり顔を合わせた。
フェンの顔が苦痛にゆがむ。
「だま……したな!!」
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