Reminiscence
フェンの表情にヒスイは満足したように嫌な笑みを浮かべて、そのままフェンの髪を離した。
フェンの顔が床にたたきつけられる。
幸い頬がクッションのようになってくれたために腫れたりすることはなさそうだ。
舌を噛みそうにはなったが。
「あいつは勝手に死んでしまいましたらね。まだ許せる気がしないんですよ。だから……クエロが愛し、クエロを愛した、クエロの愛弟子で我慢することにしました」
「ぅ……それって……」
「絶望して死になさい？クエロがあなたのことを話すわけがないでしょう？私が調べたにすぎません。……その剣はクエロのものですね？まずはこれからにしましょうか」
ヒスイはフェンの横に落ちている剣に手を伸ばした。
フェンはとっさにそれを抱え込もうとしたが、体が思う様に動かず、剣は無情にもヒスイの手に渡ってしまった。
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