Reminiscence
12歳くらいの子供だった。
綺麗で可愛らしい顔立ちをしている。
背中にはもっと幼い少女を背負っていて、その少女は眠っていた。
兄妹だろうか。
どこか神秘的な雰囲気で女ははっと息をつめた。
「このあたりに魔法商店はありませんか?」
少年は困ったように顔をゆがめて女に問いかけた。
それでも少年の美しさは損なわれない。
女はぼおっと酔ったような気持ちで少年に魔法商店までの道を教えた。
少年は一度頭を下げると妹を背負ったまま教えた方へ走っていった。
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