Reminiscence
「でも、その猫族というのも精霊の森を離れたんでしょう?」
「彼らは森での生活を放棄したわけではない。精霊の森の民は精霊の森から離れられなかったが、かといって森のなかで生活することも出来なくなってしまった。ゆえに変わった。しかし猫族は正しく伝承を伝え、精霊の民の末裔の自覚を失わずに生きている」
「森暮らしを続けてるだけで?」
「もちろん、マナを持っているというのが大きい。彼らは純度は劣るとはいえ、精霊のマナを持って生まれるがゆえに、赤子のときから半精霊だったのだから」
「生まれたときから、精霊のマナを……私達の先祖は、精霊の森の民の始まりは、精霊だったのね」
「そうとも言えるが、厳密には違う」
「まだ言えない?」
「まだその時ではない」
< 303 / 392 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop