Reminiscence

また、王の地位につけるのは、建国の王の直系の子孫にしかありえない。
ゆえに王妃も安全だと、父王は暗に言った。
「お前が行く先はネニャフルだ。そこで男として、ウェスティー・ド・アマランスとして3年、生きるんだ。護衛はフォルテとファイがする」
ティターニアは視線を移し、かつて兄の12騎士の一人だった青年を見つめた。
青年が一歩前に出て優雅に敬礼をした。
そういえば、彼の家はネニャフルにあったはずだ。
「これより、ティターニア様の12騎士の一人、呪術師としてお仕えさせていただきます。フォルステライト・ダ・グラディアナです。ティターニア様は私の家で魔法を学ぶという名目でネニャフルに来ていただきます」