Reminiscence
「それじゃ、あなたが契約者……」
フェンはポーを見上げた。
ポーもフェンをじっくり観察するように見つめる。
「私は、騎士の一人。黒魔道士なの。王女様からあなたへの伝言があるわ。……ほかの人も会ったら同じことを言うと思うけど、夕食後、あなたが召喚された場所で会いましょうとのことよ」
「……わかった」
フェンがうなずくとポーは柔らかく微笑んだ。
「あなたが承諾すれば、建国の王の代以来、初めて12騎士が全員揃うことになるのね。……さあ、これが建国記。鐘が6回鳴ったら、夕食の合図よ。だから、5回鐘が鳴ったら部屋に帰ってね。本は帳簿に名前を本の題名を書けば、一冊だけ持ち出すことができるわ。あ、安心して。帳簿が承諾すれば名前は見えなくなるし、返しにくれば名前は消去されるから」
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