Reminiscence
『私のあとの契約者へ。
言いたいことはたくさんあるけれども、契約者であるならばいずれわかることであるし、また精霊の森から出ることを選択したあなたならば言わずともすでにわかっているのかもしれない。
この本を手に取っているということは、あなたは王に付き従う者として王城に来ているということなのでしょう。
しかし、本来精霊との契約者とは自由の元、自らの運命に従い生きるもの。
この場所に留まることは望まないだろうし、留まることは結局悪い結果につながる。
それでも建国にまつわる自分の定めを識りたいのなら、記憶をたどる純白に秘密の言葉を伝えること。
二度と、王城の図書室には来てはいけない。
ここにはあなたの知識と思考を妨害するものがたくさんある。
本当の道に進みたいのなら、混じりけのない真実だけを見据えなくてはならない。
失敗してしまえば、あなたの肉体も魂も世界に拘束されてしまうでしょう。
そうならないための自由を得るために、契約者であるあなたに一つの知恵を授けます。
王との契りから逃れるための方法です。
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