Reminiscence
既に、ティーは儀式場にいた。
フェンが現れるのを見ると、挑むように笑った。
何かを吹っ切ったような表情だ。
フェンと同じように何かに悩み、決断した表情だった。
「応えを聞かせてくれるか?」
「一つの条件のもと、ぼくは君の騎士になる」
「条件?」
「ぼくが君の騎士でいるのは、結界の修復が完了されるまでだ。それが終わっても君の騎士でいる気はない」
「それは無理だ。僕の騎士になったら、それは僕か君が死ぬまでずっとその関係は続く。途中でやめることなんてできない。騎士とはつまり、僕がリーダーのパーティ……チームだ。名を名乗り、それを僕が承認することで君は騎士になる。君は勝手に騎士をやめられないし、僕も君を追放することはできない」
理解できない、というようにティーは強い調子で言った。
名を名乗るとき、それは偽名を使うことはできない。
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