Reminiscence

レナイン森の小道

フェンは上機嫌で旅人の後を歩いていた。
というのも、行先は魔法の都と有名なネニャフルだからだ。
聖リーディアス王国は魔法大国と有名だが、その技術のほとんどがネニャフルのものであり、ネニャフルか王都の住人でもない限り、魔法を見たことがある者はほとんどいない。
フェンもルーナフィアナではあるとはいえ、実際にこの目で魔法を見たことは一度もなかった。
「さて、フェン。今までは街道を歩いてきたから安全だったが、もうすぐ森に入る。森を迂回する道もあるが、冬に間に合わせるには森を抜けていくしかない。わかるか?」
「はい。でも、森に入るのはそんなに危ないことですか?」
「危ない。精霊の森に精霊がいるように、たいていの森には魔獣と野盗がいるからな」
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