今までも、これからも。
「ふーん。

 それで泣いてたんだ」

何故初めて会った、

しかも先輩にこんな喋ってるんだ?

「辛かったね。」

あの...

「先輩、私そんな子どもじゃないです」

頭なでなでされても...

「んー?

 いい子にはご褒美だよっ!」

「私そんないい子じゃない...です...」

「いいのいいの!」

何か複雑な気分...

っていうか今何時だ?

時計を探して辺りをキョロキョロと見回す

「今は2限目の途中だよ」

心を読まれている?

「そんな訳ないよ~」

「そうですよねー!」

うん、頑張れ私。

―――ガラガラッ

「あっ、桜木君!また君!?」

「先生戻ってきちゃったー」

「もう!ちゃんと授業に出なさい!」

え、先輩授業サボってるんだ。

大丈夫なのかこの人

「大丈夫、大丈夫っ!」

あ、また心を読まれた

「あ、篠塚さんはもう平気?」

「えっと...その....。」

どうしよう。

教室に戻りたくないし...

「先生よく見てあげてくださいよー

 依織ちゃんまだ顔色悪いよ?」

先輩...。

気遣ってくれて...

「だから依織ちゃんは家に帰るの!

 俺が送るの!」

...はい?

「先輩?」

何を言ってらっしゃるんですか?

「さ、帰ろ帰ろ~!」

そう言うやいきなり手を引っ張って

私をベッドから立たせる。

「えっ!ちょ...桜木君!」

先生が何かを言い終わる前に

先輩は私の手を引っ張り駆け出していた。


*
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