今までも、これからも。
「ちょっと先輩!

 どこ行くんですか!」

「どこって、依織ちゃんの家だけど?」

「あの、私は!」

私は?

どうするつもりなんだろう。

学校じゃ、どうせ廉を見てしまう

私の隣にいない廉を。

すごく醜い私の感情のままで廉を見たくない

けど、そうやって逃げてばっかりじゃいけない事は分かってる。

けど、けど、けど...

いい訳ばっかり。

「依織ちゃん。はいこれ。」

「あ。」

手渡されたのはヘルメット

もしかして...

私の予感は的中。

「ほら、後ろに乗って」

まさかのバイクに二人乗り。

バイクになんか乗ったことないから

どう乗っていいかさえ分からない。

「いいから早くまたがって!」

私は急かされるまま後部座席へとまたがる。

走り出すと怖くて目を開けれなくて

ぎゅっと先輩のシャツに捕まる。

「依織ちゃん、家どこ?」

走ってて聞こえにくい先輩の声を必死に聞き取りながら

私はなるべく大きな声で道を説明した。

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