お姫様と美しき百合
私が独り泣いていると中庭へ小笠原様がやってきた。

「乃木坂さん、こちらにいらしたのですね」

小笠原様は私のそばへくるなり笑顔で声をかけてくれた。

「･･････」

私は泣き顔をみられたくなくて黙ったまま、うつむいてしまう。

「何かありましたの？、何かおありでしたら私にはなしてみません？。良ろしければお話し聞きますわ♪」

本当は嬉しいはずの言葉････話だって聞いてもらいたいのに････。


「別になにもないわ････」
思ってもいないことばかりが出てくる。

素直になれない私。

「ふふふっ♪、嘘はダメですわよ、私がお部屋に行ったとき一人で泣いていましたし床に割れた写真立てと共に一枚のお写真が････」

私はビックリしてピクリと方を揺すと顔を上げた。

「写真、みた？」


「ええ、勝手にごめんなさい････。乃木坂さんのお母様でしょう？、すてきな方ですわね♪」


写真やっぱりみたんだ････。

私のお母様のこと素敵って言った？。

････。

そうよ、お母様は素敵で優しくて私の大好きなお母様だもの…。

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表紙・目次

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