お姫様と美しき百合

キーンコーンカンコーン〜。

授業、ホームルームが終わる。

放課後の時間。

「椎名〜麗華かーえーろっ」

私は二人に気づきもせずぼ〜っと小笠原様とそのクラスメートたちを遠くから目で追っていた。

「うん、麗華？、いくよ！！」

午後の授業の事お礼がいいたい。

でもいえなかった････。

私もあのクラスメートみたいに小笠原様に気軽に話しかけられたら････そんな風に思ったりもした。

「麗華ぁ〜はやくっ！！」

「え？････」

我に返ると椎名ちゃんが私の腕をつかみどんどん教室の外へと向かっていく。

もっと小笠原様をみていたかった････。

そんな風に思っているうちに下駄箱まできてしまった。

「はぁ････」

ため息混じりに靴を履き替えた。

校門へと向かう。

「二人とも、私は車だからここ(門)で」

黒塗りの車から１人の男が私の所へ駆け寄ってはつかさず車の扉を開く。

「麗華お嬢様、お帰りなさいませ、さぁお車の中へ」

「ただいま帰りました、ありがとう」

こいつの名前は飛鳥。

私の暮らすお屋敷で働く私専用の執事。

わ・た・し・せ・ん・よ・う！。

「じゃあ、また明日ね」

二人は飛鳥に向かってお辞儀し帰って行った。

「さぁ、俺らも帰るぞ」

「早く扉閉めて車出しなさい！！、暑いのは苦手なのよ」

「はいはい、全くわがままなお嬢様だな････」


「なによ、飛鳥こそ人前と私の前で態度随分ちがうわね！」

ムキになって言い返した。

「麗華いじると面白いからな」

楽しそうに笑う飛鳥。

「あれは････小笠原様････なんで････こっちの道じゃないはず････」

「何だ？、小笠原様？、あの小笠原様か？････みまちがえ････だろ？」

「何よ････いるったらいるのぉぉお！」

目を凝らして再度外を見る。

私たちの車の前を走る車には確かに小笠原様の姿。
「間違いない････」

私は鼓動が高鳴り顔は赤くなっていた。