お姫様と美しき百合
〜2〜
あれから何分後か、私たちはお屋敷へと到着していた。

「さぁお嬢様、お屋敷へご到着です」

車の扉を開く飛鳥。

「えっ?、あっ・・・・ありがとう」

「ふふふ」

飛鳥は楽しそうに笑うと私の手を引いてお屋敷の中へと早足で進んでいく。

「お父様、只今帰りました・・・・・お父様?」

繰り返し呼んでみるが返事はない。

「そーいや、旦那様今日は仕事がいそがしいから帰れないかもって・・・・」

「なによ、今日もじゃない・・・・今日こそ早めに帰るってメール・・・・お父様の嘘つき・・・嘘つき!」

静まり返ったお屋敷に呟いたはずの私の声が響いた・・・・。


「麗華?、俺がいるからさっ。」


「ひくっ・・・・なによ、別にそんなんじゃ・・・今日のお夕食も二人・・・あんたな・ん・か・と!!、それが気に入らないだけなんだから・・・・ひくっ」

「はいはい、って泣いてる?」

「うっ、うるさいわね!!・・・・ひくっ」

・・・・なんで涙がでるの?。

今までだって何度もあったのに・・・・。


私は飛鳥からカバンを引ったくると自室へと走った。

・・・・・・。



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