つないだ手。
「結菜………

お前に俺がバイト探せって
言わなきゃ、
あんな事にはならなかった…」

あんな事…

ヒロくんはあの事を
知ってるんだ…


「違う!

ヒロくんのせいじゃないの!

私わかってた…

途中で気付いた…

でもついてったのは私…

だからヒロくんは悪くないよ」


「…どういう事?」


「私バイトやっと見つけて、

辞めたくなかったから、
店長に抱かれようと思って
ついてったんだ…

そしたら知らないおじさんが
相手でさ………」


「そこまでして
バイト続けたかったのか?」

「ヒロくんの…

彼女になりたかったんだもん」



ヒロくんは黙った。


しばらく黙っていた。




そして…





「俺は結菜とは
付き合えねぇ…悪い…」

と言った。
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