つないだ手。
泣いてる私を
撫でてるヒロくん。
それを黙って見つめる
紗江とトモくん。
割れたグラスを片付ける
店長さん。
変な空気が流れてた。
でも私の涙は
止まらなかった。
お金が欲しくて
はじめた風俗のはずが、
お金しかなくなって。
寂しくなって
逃げ出して終わるんだ。
店長はお金になる私にしか
興味がなかった。
お金なんて………
お金なんて……
いらない。
愛されたかったよ…
そう思った。
ヒロくんに撫でられながら
素直に
「愛されたかったよ…」
そう言った。