つないだ手。
ヒロくんじゃないのに…

店長なのに…


それでも私の脳は錯覚して

切なくなる…



「店長ってタバコ
何吸ってたっけ…?」

「えっ、セブンスター」

私を抱きしめながら
店長が答えた…



ヒロくんと同じだった。



私は思った。

ヒロくんを好きになったのは
店長と重ねてたから…?


都合のいい考えだけど、

今、この目の前の
ヒロくんと同じ香りで
同じタバコを吸う店長を
受け入れるには
十分な理由だったんだ。


「結菜…ヨリ戻そう?」

「うん…」


私は店長と
また付き合うことになった。
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