つないだ手。
「もう二度と仕事には
行かせない。
外にも出ないでくれ。

寂しいなら俺
仕事やめるから。

だからずっと俺だけ
見ててくれ。

結菜、愛してるよ」


焦点の合っていない目で
そう言った店長。


やばい…この人おかしい…


ただ、怖かった。

どうやって逃げ出そう…

怖い………


それしか考えられなかった。



しばらく無言の店長に

私は泣きながら
鼻血を手で拭って

「店長…鼻…痛い」

と言った。

鼻が異常に痛い。

確実に折れてる、と思った。


病院行きたい…


でも店長は

「大丈夫だ、すぐ治るから…

どこにも行かせないよ。

そんな事言って
俺から逃げようと
しても無駄だよ」

と言って私の手をひき

寝室へ向かった。
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