つないだ手。

スタート


その日は本当にヒロくんは
私に手を出さなかった。

次の日の朝
家に送ってもらって
そのままバイバイ。


この日ヒロくんと
会ってなかったら。

私は今も風俗をやりながら
満たされない日々を
送ってたのかなぁ。








私は家に帰ってすぐ
引っ越し業者に電話をして
昼には来てくれると言われて
急いで必要なものをまとめた。

そして店長に
何も言わないまま

実家に引っ越した。


これでいいんだ。

これでよかったんだ。


私は風俗嬢の自分に
さよならした。

店長も、さようなら。


そしてこれからがスタート。

私は変わる。

変われる。
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