つないだ手。
カラオケについて
ヒロくんの服の裾を掴んで
受付までみんなで歩いていると


カラオケを終えて
酔った集団が
こっちに向かってきた。


私は酔っぱらいが嫌いだから
そっちを見ないようにした。


「あ、結菜じゃぁ〜ん!」

酔ってテンションの高い男が
私に近づいてくる。

私はその人を見た。


やばい。


その人は昔しつこく
付き合おうと言ってきたから
「うざい!」と言って振った
壮介だった。

ヒロくんが
「だれ?」と聞いてきたから

「昔振った男。」
と言った。

ヒロくんは私の言葉を聞くと
私を自分の後ろに隠して
壮介が近づいてくるのを
止めてくれた。

「お前誰だよ。
どけコラ。」

壮介がヒロくんに向かって
睨みながら言うと

「てめぇが誰よ。
帰れクソガキ」

とヒロくんが言った。


こんな時でも
かっこいいと思ってしまう私。


チナツくんとキョウくんも
こっちに来た。

「ヒロキレちゃだめだよ!
年考えて!」
とチナツくんは笑いながら
ヒロくんを掴んだ。

壮介も集団だったし
酔っぱらいだったから
なかなかひかない。

「結菜〜!結菜〜!
この後ひまだべ!
俺んち来い!」
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