つないだ手。
「今さらだよ…」

私が言うと

「頼む…結菜…

俺、お前が戻ってこないなら
このまま死ぬ…」

「ちょっと待って!
何言ってるの?やめてよ!」

死なれたら困る…

私のせいで死ぬなんて困る…

「頼む…」

でも私にはヒロくんが居る。
店長のところには
戻れない。

絶対に二度と戻らない……


でもきっと刑務所
出てくる頃には

私なんか忘れてるはず……


「わかった…」


私はそう言って
電話を切った。

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