つないだ手。
「だって…死ぬって……」

「はぁ〜…」

ヒロくんはため息をついた。


「じゃあ俺も死ぬ」

「えっ!?」

「お前が今ここで
その携帯折らなきゃ俺死ぬ」

携帯を折る!?

死ぬって…

そんな事で?

「わかった」

私は携帯を折ろうとした。



「ばか。冗談だ。
部屋戻るぞ。」

ヒロくんは私の手を握って
部屋に向かって歩きだした。


そして
部屋に入るなり
全員分のビールを
一気飲みした。


「おぉ〜!ヒロ最高〜!」

チナツくんが笑った。

私は急いでまた
全員分のビールを注文した。


ソファーにどかっと座る
ヒロくん。

「俺のなのに、
俺の知らねぇところで
訳わかんねぇ事
してんじゃねぇぞ。

死ぬぞ!」

と言って笑ったヒロくんは
いつものヒロくんだった。



私はヒロくんに抱き付いて

「私がヒロくんのなら
ヒロくんは私の?」

と聞くと

「俺はモノじゃねぇ」

と言ってまた笑った。


私は…モノですか。

おかしくて私も笑った。
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