あなたが大好きでした。
この人は不思議だ。
他の人と違う何かをもっている。
私は空に対しそう感じた。
「授業でなくていいの?」
「いーのいーの!退屈な授業なんかうけるより、ここで風にあたってるほうが気持ちいし♪」
「私みたいに赤点になるよ」
「え、琴魅赤点なんか?俺も前の学校で赤点だらけだったぜ!仲間だな!」
「別に赤点だらけじゃない」
「ありゃ?違うのか?」
おっかしーなと言いながらこめかみを掻いた。
私にこんなに話かけてくる人なんて珍しい。
本当に変わってるなぁ…
琴魅は立ち上がりドアのほうへ歩く。
「どこ行くんだ?」
「帰る」
「ちょ、おい…」
空の言葉を遮ってドアを閉めた。