あなたが大好きでした。
「よろしくなっ!えっと…」
「琴魅(ことみ)」
「琴魅!! んっ」
早坂 空は手を出してきた。
…なんだこの動物みたいな人懐っこさは。
「…よろしく」
琴魅も軽く手を握り、挨拶を交わした。
休み時間になると真っ先にレイカがとんできた。
「琴魅っ!空くんの隣いーなぁ」
「なんで?」
「だって空くんかっこいいじゃん♪笑顔かわいいし」
「…そお?」
そんな話をしてたら現れた。
「琴魅!その…」
早坂 空は少し照れくさそうに口を動かした。
「何?」
「学校案内…してもらえないか?」
「いいよ」
「マヂか!?やったあ!」
無邪気な子供のように笑う彼を琴魅は不思議に思った。
なんでこんな笑顔ができるんだろう。
そんなことを思ってるのもつかの間、琴魅は早坂 空に手をひかれた。
よっぽど学校案内が嬉しいんだか、はしゃいでいる。
それはいいけどいい加減離してくんないかな…
「ねぇ」
「ん?」
「手、痛い」
「あっ、わりぃ!」
早坂 空はすぐに手を離した。
「ねぇ…早坂 空」
「早坂 空!?なんっでフルネームなの?空でいーよ」
「空。あんた変わってる」
「そーか?」
空は首を傾げる。