あなたが大好きでした。


「それにしてもここの学校でかいなぁ。前の学校と全然ちげー。俺が前行ってたとこは自然が多くてさ、そのかわりに建物がそんななかったんだよ」


ベラベラと話す空。

この人は人見知りをしない生物なんだろうか。


「その髪、地毛?」

気になっていたオレンジ色の髪を指さした。

「地毛だったらすげーよ!俺外国人じゃん!ニホンゴワカリマセーン」
「…」
「あれ? ノーリアクション?俺一人でめっちゃハズいじゃん!」


空は恥ずかしいそうに頭を掻いた。


「でもなんで地毛だと思ったの?」
「なんとなく。そんな気がした」
「ハハっ。なんだよ、それ!」


お腹を抱えて笑う彼の表情はコロコロと変わる。

百面相だ。



「もう授業始まるから戻っていい?」
「あー、俺も行く!転校初日からサボったらやべーもんなぁ」



教室に向かう。

チラっと彼をみた。

どことなく子供のようなオーラ?雰囲気?が漂う。その反面、大人っぽいような雰囲気もある。



「なに?なんかついてる?」
「…やっぱ変わってるなーと思って」
「んん?どーゆーことだ?」
「なんでもない」



琴魅は何故だかわからないけど、少し頬がゆるんだ気がした。


めんどーだと思っていた気持ちもいつの間にか消えていた。

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