担任は優しい旦那様
私も助手席に
乗ったのを確認した
マー君が車を
家向かって走らせた。

「本当に迎えに来るとは
思ってなかった」

『酷いな藤沢』

後ろを見ずに
絢菜にそんなことを
言っていた。

「だって、
華蓮だけで
良かったはずなのに、
本当に車で来るんだもん」

親バカならぬ
嫁バカよねと
後ろで絢菜笑っている。

あながち間違ってない
かもしれな。

『到着』

話してる間に
着いたみたいだ。

「凄いマンションね」

『元々はマー君が
一人で住んでたんだよ
因みに部屋は
1005号室だよ』

エレベーターに乗り
10階のボタンを押す。

玄関の前に着いて
鍵を開けた。

『はい、どぉぞ』

「お邪魔します」

車に乗った時と
同じように言う
絢菜は律儀だ。

『改めて、
いらっしゃい』

「佐川先生、華蓮
二日間宜しくね」

『こっちこそ宜しくな』

『絢菜、何飲む?』

「何でいいよ」

じゃぁ紅茶でいっか

『お茶いれて
来るから少し待ってて』

「急がなくていいよ」

『マー君と話してて』

私はキッチンに向かい
紅茶をいれた。

ミルクと砂糖も持って
二人が居る
テーブルに戻った。

『お待たせ』

「この香りは
アールグレーね」

絢菜がカップを持ち、
香りを堪能している。

『ミルクと砂糖、
此処に置いとくから
入れたかったら使って』

ミルクと砂糖が入った
カゴをテーブルの真ん中に
置き、私も座った。

「さてと、二人の
馴れ初めを聴かせ
もらおうかしら」

一体、何から
話せばいいのか……?

そぉ思ってたら
マー君が先に話し出した。

『あれは確か、
華蓮が一年だった時に
手紙をくれたんだ』

「へぇ〜」

絢菜が私を見て
ニヤリと笑った。

「華蓮もやるじゃん」
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